温熱サービスという新しい事業

ピエモンテ州の温熱をサービスする事業を展開している会社を訪問させていただきました。
元々印刷工場だったところを借り、屋内に4台のCHiP50コージェネレータ-を設置、近隣に電気と温水を提供しています。
イタリアの暖房は温水を循環させるセントラルヒーティングでの暖房が主流であり、その温水はガスによって加熱しておりますが、資源を輸入に頼るイタリアでは、熱源が高価という問題があります。
そこでこの会社は、現在の30%オフをターゲットに電気と温水を販売するという新しい事業を行っているのです。

CHiP50コージェネレータ-は4台。屋内に並列して設置しており、エンジン、ガス化装置の部屋とチップ乾燥・選別の部屋に分かれています。
チップは生チップで購入し、自社で選別と乾燥を行っている為、チップ室での作業時間が多くなりますが、必要な熱はチップ室にだけ送られ、コージェネレーターの音は遮断され、またコージェネレーター室には熱が籠らないので、効率の良い設置パターンだなという印象です。

チップ室には生チップをまず選別し、コージェネレーター用のチップは乾燥機に入れられます。
4台分ですので、かなり大きな乾燥機ですが、元々はこの地方ではポレンタというトウモロコシの粉をお粥にして食べる分化があるのですが、そのトウモロコシを乾燥させる機械を利用されているそうです。
日本ならば使わなくなった米の乾燥機が利用できるかもしれませんね。
乾燥機にかけられたチップはコージェレーターへ、ふるいでドロップしたチップは集められ、ペレット工場へと販売されるそうです。

一日の作業で大半を占めるのがこのチップの移動。乾燥機へコージェネレーターへ、ドロップへ。
この作業が自動化できれば殆ど人がいらない事業かと思われます・・
ラジエータ熱を屋内に入れているので、ほんのり温かい中での作業です。
灰の処理は1週間に1度。現在は産廃として廃棄されています。